医学部受験における小論文・面接対策

近年、国公立の医学部でも小論文・面接の試験を課すところが増えてきています。医学部受験生の中には「理系科目は強いが作文は苦手」という人も多いはず。そこで今回は、大学側が小論文や面接をおこなう意図や、どんな対策をいつ頃からすればいいのかについてお話しします。

1 東大理Ⅲで10年ぶりに面接が復活 小論文を課す国公立大も増加

東京大学理科Ⅲ類は、2008年以来廃止していた面接試験を2018年の前期日程試験より再開して話題となりました。九州大学でも2020年から面接を導入しています。

小論文は、テーマに沿った自由作文を書かせるところや、和文・英文の課題文を読ませて読解力を問うところ、1000字の意見論述を書かせるところなど多様です。

小論文や面接の扱いは大学ごとに異なり、点数化して学科試験とあわせて合否判定に使うところもあれば、あくまで参考として活用するに留めているところもあります。

 

2 大学が小論文や面接で見ているのは「医師としての適性」

大学側が小論文や面接をする狙いは何でしょうか?
それは、入学前に受験生の“医師としての適性”を見極めるためです。学科試験の得点が高くても、一般常識やマナーに欠けたり、コミュニケーション能力に難があったり、倫理観や道徳観に問題があったりすると、医師としてはやっていけません。そのため、入学前の段階で明らかに適性のない者はふるいにかけて落とすのです。

 

3 必要最低限の常識とマナー、文章力があれば基本落ちない

面接では基本的なマナーや受け答えができれば、まず不合格になることはないでしょう。

小論文も基本的な文章力と論理性があれば大丈夫です。小論文や課題文のテーマは「命の尊厳」や「医療問題」「患者との向き合い方」「時事問題」などが出題されますが、立派な講釈を垂れる必要などなく、自分の意見や思ったことを素直に書けばいいのです。

 

4 小論文・面接対策には時間をかけずに、学科に集中!

医学部の小論文や面接の対策は、“時間をかけて対策する必要なし”。
「小論文・面接のある大学を受けることになるかもしれないから、どこに出願してもいいように準備しておこう」などとは考えなくて大丈夫です。そんな時間があるなら学科の勉強に集中しましょう!

なぜなら、学科の点数が悪ければ100%落ちますが、小論文や面接が人より優れていても合格できるわけではないからです。共通テストが終わったら、学科試験で1点でも0.5点でも多く得点できるように時間とエネルギーを使うべき。

 

5 家庭での会話にも「時事問題」を入れてみよう

医学部の面接や小論文では「時事問題」が多く出題されます。たとえば、面接では「最近の医療関係のニュースで気になったものはありますか?」とか「最近話題になっている○○の問題について、あなたはどう思いましたか?」といった質問です。
時事ニュースを知らないと答えに詰まってしまいますから、日頃から一般的な社会問題や医療問題はインプットしておかねばなりません。

親が食事中の会話などで、「この前、こんな医療ニュースがあったよ」とか「こんな医療技術の開発が進んでいるんだって」というように織り込んであげると、よいインプットの機会になります。

 

まとめ

医学部受験の勝負は学科試験の結果で決まります。小論文や面接で学科の得点を逆転するのは無理なので、そこまで対策に比重をかけなくていいでしょう。人として当たり前のことをできれば良しとし、学科試験に全力をかけるのが合格をつかむ近道です。

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