「食育」は医学部受験で一番大事な親の仕事!?

「お子さんが小さいとき、どんなご飯を食べさせてきましたか?」と、お母様がたによく聞かれます。今回は私がどんな食育を家庭で行ってきたかをお話しします。

そもそも楽に入れる医学部はない

私は子育ての方針として「1日3回+おやつをしっかり食べさせる」ことを大切にしてきました。特に朝ご飯は大事。1日を元気に過ごすためのエネルギー源だからです。子どもが寝坊した朝も「学校に遅刻してもいいから、ご飯を食べていきなさい」と教えてきました。

朝食を食べない子は学力、心、体が弱い!?

文部科学省や農林水産省などが「朝食欠食と子どもの学力・体力」の関係を調べています。いくつかのデータがあるのですが、いずれを見ても「朝食を食べない子は学力・体力ともに低い傾向がある」ことを示しています。メンタル面でも朝食を食べない子ほど、イライラを感じやすいようです。
 考えてみれば当然のことで、食事は脳や筋肉のエネルギー源なので、朝食べないとエネルギーチャージができません。車でいうガス欠を起こしてしまい、頑張れないのです。

睡眠が十分だと朝食がおいしい

私が朝食を重視しているもう一つの理由は、朝食がおいしく食べられるかどうかが、十分な睡眠を摂れているかを知るバロメーターになるからです。子どもが夜更かしした翌朝は、決まって食が進みません。おいしく完食すれば、たっぷり眠って疲れがリセットされた証拠。毎日決まった時間に朝食を食べることで、体内時計も整います。

ハードな医学部受験は体が資本

医学部受験は心身ともにハードです。全学部の中で最高峰なので、全国から優秀な子たちが集まってきてハイレベルな戦いになります。その戦いに勝ち抜くためには、モチベーションも必要ですし、集中して勉強する体力も、より多くを理解し吸収する知力も不可欠。ガス欠で完走できるほど甘い世界ではないのです。

お弁当は手作りが当たり前の家で私も育った

うちの子たちは高校まで毎日お弁当を持って登校していました。おかずは私が手作りし、できるだけ冷凍食品やできあいの総菜は使いません。私自身が料理を苦にしないこともありますが、やはり子どもたちには保存料などを使わない安心安全なものを食べて欲しかったからです。私も母からそのように育てられましたし、それが当たり前の感覚でした。

弁当作りを拒否する親にショック!

ですから、ネットでこんな書き込みを見てショックを受けました。ある公立小学校で「月に1回手作り弁当の日をしませんか」という提案をしたそうです。子どもたちに給食ばかりではなく、たまには家庭の味や親の愛情を感じてほしいという意図でした。ところが、この提案に対してフルタイムで働く母親が「親は大変な思いで働いているのに、弁当作れなんてひどいと思いませんか!」「学校は何を考えているんだ」と嚙みついたのです。しかもその母親に賛同する意見が多かったことに、さらにビックリしました。
それぞれ家庭の事情があるので難しいところですが、忙しいというのなら私もわが子が小さい時からフルタイムで仕事をしてきました。月に1回だけ30分もあれば作れるだろうに、「今は親も心の余裕がないのかな」と心配になった出来事でした。

手の込んだキャラ弁は必要なし

おそらく今の若いお母様がたはお弁当に対するプレッシャーがあるのではないでしょうか。「キャラ弁や彩りを考えた見栄えのいいお弁当を持たせないといけない」「お友達と見せ合ったときに質素なお弁当だとかわいそう」「月に1回なら、なおさら気合を入れないと」……と気負ってしまっている気がします。
 しかし、そんな大層なお弁当は必要ないと思うのです。子どもは母親が頑張って作ってくれた、自分のことを思って早起きしてくれたと感じるだけで、十分に幸せなはず。お弁当の中身に文句を言うような子なら、「食べなくて結構!」と私なら言います(笑)。

前夜に仕込んで朝は焼くだけなら楽ちん

毎日お弁当をつくるのは大変だと思う人もいるかもしれませんが、私は夕飯づくりのついでに翌朝のお弁当の下準備をしておいて、朝は調理して詰めるだけにすることが多かったので、ほとんど負担は感じませんでした。
夜、鶏肉をタレにつけてジッパー袋に入れておけば朝にはいい具合に味が染みて、焼いても唐揚げにしても立派なメインおかずになります。あとは卵焼きや温野菜などちょっとしたおかずを詰めて完成。手間もかかっていないし、地味かもしれませんが、おいしければいいのです。

子ども時代の食習慣が大人になっても続く

子どもの頃に見についた食習慣や味覚というのは、大人になっても基本的に変わらないようです。子どものうちに濃い味やジャンクフードに慣れ親しむと、大人になっても食べ続けてしまい、生活習慣病などになりやすくなります。だからこそ、子どもの時代の食育が大事だと思っています。

コンビニ弁当で体調を崩した長女

私がつくる料理はどれも薄味で、油も控えめです。その味で育ってきた娘は、コンビニ弁当を何回か続けて食べて、体調を壊してしまったことがありました。コンビニ弁当は味付けがしっかりで、油たっぷりの揚げ物や炒め物が多いので、不慣れなものを食べて体がビックリ仰天したのだと思います。

大人になってコーラが飲めるようになった長男

長男は大人になってからコーラなどの炭酸飲料が飲めるようになりました。うちでは砂糖や着色料が使われたジュースは飲ませておらず、飲むのは牛乳くらいだったので、大人になるまで口にする機会がほとんどなかったのです。
 大人になって付き合いでビールを飲むようになってから、炭酸というものが飲めるようになったと言っていました。それでも、いまだに自分から好んでジュースを飲むことはないようです。

わが家はベランダで七輪焼肉がごちそうだった

わが家では外食は年に数回のみ。基本的に自分がつくった料理を食べることが好きなので、いつも家で家族揃ってご飯を食べていました。ときどき自宅のベランダでする七輪焼肉がわが家ではイベントで、一番のご馳走でした。食べ盛りの子を3人も焼肉屋に連れて行くと、かなりの金額を覚悟しなければなりませんが、家なら心置きなく食べられて大満足。全員が大人になった今でも、あの頃の七輪焼肉の思い出を話したりするので、彼らの心に楽しい“食と家族”の記憶として残っているのでしょう。親としては嬉しい限りです。

子どもに贅沢を覚えさせたくなかったワケ

私には子どものうちに贅沢を覚えさせたくないという考えがあります。なぜなら、子どものうちに身の丈以上の体験をしすぎると、大人になったとき感動できるものがなくなってしまうと思うからです。それって、とてもかわいそうなことだと思いませんか?
 子どもには「物がない」くらいがちょうどいいのです。彼らはその辺にあるものを使って、あそびを開発していきます。その自由な発想力が将来に生きてきます。大人になったとき贅沢できることのありがたさや、お金を得ることの大切さも分かります。

まとめ

食事は親や子どもに愛情を伝えることができる大切な時間。そう考えて、私は手作りや栄養バランスに気を付けてきました。家庭によって食に対する価値観はさまざまなので、私のやりかたが正解だと押し付ける気はありません。それぞれの家庭のやりかたで、わが子にとって最良の「食育」を工夫していってもらえればと思います。

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